ドイツから伝えるコロナ事情
先ほど衝撃的なニュースがラジオから流れた。
私が住むここ南西ドイツから近いフランスの街、ストラスブールで、コロナ患者の80歳以上には、人工呼吸器を与えられない状況にあるという。
コロナウイルスに感染してる医者でさえ働き続けなければならず、ドイツに助けを求めたというもの。
ドイツとフランスは、日本と韓国のように仲が悪い。
東北の震災後、原子力発電を早々と止める方向に向かったドイツに対して、原子力発電大国のフランスは、ドイツとの国境沿いに新たに発電所を立て、そのエネルギーをドイツに売ってもいる。
そのフランスが、人工呼吸器を潤沢に持つドイツへ、患者をヘリで輸送することをお願いしたというから、これは本当に非常にまずい状況なのがわかる。
ドイツは休業のホテルや見本市会場のような施設を仮設病院にする準備もどんどん進めているから、軽症のコロナ患者も収容してもらえるキャパシティがあるだろう。
週に10万件とも16万件とも言われる検査数。
日本と比べたら。。。
一人でも多くの患者を助けようとする国の形が現れていると、私個人は思う。
経済的なダメージを少しでも減らすために、一刻も早い収束に何が必要なのか、ドイツ政府は真剣に考えているということが、一外国人でも肌身に感じる。
一昨日、久しぶりに職場へ顔を出す事になり、電車に乗ってみた。
シュトゥットガルト市はついこの間、市内を走る電車およびバスの本数を減らすことを決めた。
ほとんど自宅勤務だったりして通勤する人も少ないでしょ、って考えだったんだろうね。
しかし、電車通勤する人たちは相変わらず一定数いるし、本数を減らされちゃったら1.5メートルのソーシャルディスタンスなんて取れない!と苦情が出たため、すぐに対策案を出す!と市長が発表した。
昨日久しぶりに電車に乗ることになって、普段と違うなと感じたのは、2車両しかなかったところが3車両に変わっていた。
私が乗った時間帯は特に人が少ないお昼過ぎ。
いつもなら1車輌にされてもおかしくないくらいの時間帯なのに!
3両目、誰も乗ってないし!
これがこの間言っていた対策案なのだろうね。
月曜に苦情が殺到して、水曜日には車両増設!
仕事早すぎ!!やるね、クーン市長!
駅で待っている人たちも1.5メートルの間隔をあけて立ち話をしている。
ドイツの電車は大抵、扉はセルフで開ける事になる、ボタンを押してね。
これも感染源の1つと言われているので、全ての扉が自動で開くようになった。
これも驚き。
いや、東京近郊に住んでたら、ふっつ〜な事なんだけどね、知ってるけどね!
ドイツ旅行アルアルで、エレベーターの閉めるボタンをみんな押さないってやつ。
日本人せっかちだから、必ず閉めるボタン押すでしょ!
最初から閉めるボタンないエレベーターもドイツじゃあザラよ。
たった1、 2秒待てば閉まるドアなんだから慌てて押す必要もないだろうという考えだと思う。
それとも無駄な電力使うな!って事?
うちの母親のようにせっかちで仕方ない人は、もどかしくって仕方ないみたいよ。
何度もドイツに来てるのに、初めて公共のエレベータに乗ると、
母は私にひじツンツンしてきて、
「ちょっと扉閉めないの〜?」って日本語で指摘し、
「閉めるボタンないの!」って答える私に、
「ドイツ人、呑気ね〜〜あははは」って言う母の呆れた笑いに
「日本人が異常にせっかちなんだよ!あはは」ってやり返したっけ。
そう言えば、街中を歩いていたら、みんな1人、もしくは2人で行動しているのに気づく。
3人以上で行動するな!と口すっぱく言われてるからさ、お上から!
3人の大人が歩いてると、家族なんだろうなとは思うけど、非常に目立つ。
大通りを歩いていたら、年老いた男性(多分ドイツ人)が3人組とすれ違うと、恐ろしい目つきで睨んでた。
通り過ぎてもしばらくその3人組を立ち止まってみていて、そしてそのおじさんを興味深げに遠くから眺める私。
警察とか来るのかな〜、なんてワクワクしたのも束の間、
「あ!身分証明書携帯してないや」って気づいて慌ててその場を去ったわ。
こういう相互監視の目も、嫌なもんだよね。。。